スポーツは、次のような素晴らしい機能を持つと云われております。
* 自発的な「創意工夫」や「努力」を導く、
* 心身の「鍛錬」をもたらす、
* 自分の持つ「可能性を開発」する、
* 同じ目的に向けて他人との「交流の拡がり」をもたらす、
* 感性というものが磨かれることにより自然や文化との
「豊かな交流」をもたらす、
スポーツの実践は、これらの機能の発揮を通じて、良き「人格の形成」を導きます。そして、重要なことは、これらの機能は、同時に「大学」自体が持つべき「機能」でもあるということであります。
仙台大学では、スポーツの実践を通じて、人間形成に向けてスポーツの持つこの素晴らしい機能を、先ず、身につけて頂きたい、そして、同時に、仙台大学から、大学の持つべきこれら「機能」を色々と引き出し、大いに活用することにより、その成果を十分に「自分のもの」として頂きたいと考え、教育活動に取り組んでおります。
仙台大学では、スポーツ、体育、健康、身体活動に根ざした福祉、運動と栄養、そしてインテリジェンスとしてのスポーツ情報など、勉学の対象とする領域を「体育学部」という一つの学部のなかに取り込んで教育活動を行っております。その理由は、これら対象領域に共通する基盤を「身体活動あるいは身体機能の発現」と捉えているからであり、その発現の典型がスポーツということになります。したがって、仙台大学は、情報の受・発信を含め「身体活動あるいは身体機能の発現」から派生する様々な知識あるいは技術について系統的に勉強する「場」ということになります。
このことを示す表現として、仙台大学では「スポーツ・フォア・オール」という表現を使っております。文字どおり「みんなのスポーツ」を意味する分かりやすい表現であり、仙台大学の教育が目指している方向、すなわち教育理念を端的に示しております。
スポーツをたしなむ人達には、オリンピック出場を目標とするトップ・アスリートもいる一方、日頃の健康維持増進のために、楽しんでスポーツをする人もおります。また、「身体的な」あるいは「知的な」ハンディ・キャップを持った人々のスポーツもあります。さらには、お年寄り、とりわけ、例えば「寝たきりの老人」にとってみても、動かなくなりつつある自分の手や足を少しでも動かせるようにすること、これもまた充分に「スポーツ」であります。
このように、「スポーツ」、言い換えれば人間の「身体活動・身体機能の発現」というもの、そしてそれがもたらす情報というものは、「お年寄り」も「若者」も「男子」も「女子」も、あるいは「健常者」「非健常者」を問わず、全ての人間に共通に関わるものであります。
仙台大学では、人間全てにかかわるこれら体育・スポーツ科学というものを学問領域として、これからの世の中の、それぞれの必要な分野を担える人材を育成すること、このことをその基本的な使命・目的とし、「体育学科」「健康福祉学科」「運動栄養学科」そして「スポーツ情報マスメディア学科」の四つの学科を「体育学部」という同一の組織のなかに設置し、これを基礎として、そのうえに大学院「スポーツ科学研究科」を構成しております。なお、健康福祉学科では「介護福祉士」、運動栄養学科では「栄養士」という、ともに厚生労働省所管の資格取得の途を同時に開いており、これらの学科では、学習分野が他学科よりは、若干、多岐に亘りますが、いずれの学科においても、仙台大学で学ぶということの基本は「スポーツ・フォア・オール」にあります。
もうひとつ、卒業生が40年の年輪を刻みながら築き上げてきた仙台大学の良き美風を、二つ、紹介致します。
美風の第一は、健全な精神と身体に根ざした「フェアプレーの精神」であり、その第二は、「礼儀正しさ」であります。どの社会においても結局は人間性であり、この仙台大学の美風である「フェアプレーの精神」と「礼儀正しさ」こそ、最も望まれる人格であります。
さて、大学は、現在、「大学としての質」を自ら保証することを要請されております。そして、これを客観的に確認するため「外部認証評価」という手続が制度化され、仙台大学は、昨年度、その手続を実施し、おかげさまで平成26年3月末までの認証評価を獲得しました。
上述しました仙台大学の理念と目的、そして具体的な「取り組み」、これらの「質」を維持・向上させるためには、大学側と学生諸君とが、共通認識に立ち、そのうえで共に切磋琢磨を行うかどうかにかかっております。 ぜひ、学生の皆さんには、「質の高さ」を世の中に誇れる仙台大学創りに参画して頂きたいと考えております。
■ 建学の精神
仙台大学の建学の精神は本来、本学の経営母体である学校法人朴沢学園(明治12年開設)の創始理念に由来しています。学園創始者は「創意工夫と先見性をもって実学を志し、実学に根ざした人格形成と人材育成を図る」という理念を基に先進的な女子教育を行い、寺子屋方式であった明治時代の裁縫教育に一代革新をもたらしたのです。その考え方は昭和42年、体育系単科大学として開学した仙台大学の母胎として受け継がれました。すなわち「社会で充分活動できるための智識と技能力を鍛えた心身ともに健康である人間をつくることであり、このため心身の健康育成を特に重視した教育を実施する」ことを建学の精神として学内外に表明したのであります。これは戦後の学制改革以降の高等教育への展開において、大学開学の際、人格形成の要素である体育・徳育・知育のうち「体育」に重点を置きつつ、実学に根ざした広い教育研究領域を探求することにより、朴沢学園の創設理念を継承しているところであります。
建学の精神は、開学時の第1回入学式・初代学長告辞にも端的、かつ明確に示されています。告示の抜粋は下記の通りです。
(キャパス内74ヶ所に掲示されている
「建学の精神」と「基本理念」)
「本学においては、自由を尊重するとともに、自律と義務履行に生きる、誠心に厚く、自己の智識と技術を通じて、国民の健康増進のために社会に貢献し、人類に奉仕する熱意を実践に移すことのできる男女人材の育成を使命としております」
「大学も1つの理想を持たなければなりません。・・・良い意志を持ち、明らかな知性・思慮を有し、豊かな情操を養い、社会で充分活動できるための智識と技能力を鍛えた心身ともに健康である人間をつくることであります」
「仙台大学は、企業等における健康管理・健康指導の企画・実施担当者の育成、各種の運動機構等における実技指導者、ならびに学校体育の指導者を養成することを目的としております」
■ 基本理念
昭和42年、単1学部・単1学科で誕生した仙台大学は平成7年度以降、体育学部が順次、4学科に増設されました。これに加え平成10年度には大学院スポーツ科学研究科(修士課程)も新設されています。こうした教育研究領域の拡大に伴い建学の精神を基盤に据えつつ、大学の新たな基本理念として定められたのが「スポーツ・フォア・オール」という言葉であります。
『スポーツ・フォア・オール』とは文字通り「スポーツは健康な人のためだけでなく、すべての人に」という志向を意味します。例えば乳幼児から元気なお年寄りはもちろん、寝たきりのお年寄りまで。そしてトップアスリートや、楽しんでスポーツをする人、身体的ハンディキャップを克服しながらスポーツをする人、スポーツをすることが好きな人も、スポーツを観ることが好きな人も、もちろん、男女の性別を問わず、すべての人を対象としてスポーツを科学的に探求することを『スポーツ・フォア・オール』という言葉に託しております。
■ 使命・目的
この基本理念を踏まえた仙台大学の使命・目的については、大学院・学部それぞれに、ディプロマポリシー、カリキュラムポリシー、アドミッションポリシーを合せたものとして以下に示しております。