共同講習 連携に乱れ
「ネットワーク大学コンソーシアム岐阜」の会合では、独自の必修領域講習を開く岐阜女子大の担当者と岐阜大側の意見がすれ違った。
教員免許の更新講習に向けた大学同士の結束は早々に足並みが乱れた。
「岐阜女子大さんが独立して別個の必修講習を開く。申し込みなどが混乱しないか不安だ。各大学が単独でできるなら連携の必要はない」
岐阜県内の17大学・短大・高等専門学校と県などで運営する「ネットワーク大学コンソーシアム岐阜」。岐阜大学(岐阜市)で3月18日に開かれた会合の席上、議長役の古田善伯(よしのり)・同大理事(61)が、やや残念そうな口調で語った。
大学コンソーシアムとは、地域の自治体や産業界を巻き込んだ大学連携の組織で、岐阜県では1998年に発足した。同県では更新講習の開始にあたり、県内にいる初年度の対象教員約1400人が確実に講習を受けられるよう、体制作りを進めてきた。
成果の一つは、ウェブシステム「岐阜県教員免許状更新講習(KMK―Gifu)」。受講希望者は、一つの窓口から、12大学・短大と県・岐阜市教委が連携して開く計356講座(3月時点)の内容を確認し、申し込みができるというものだ。
必修領域講習への対応にも力を入れた。小井土由光・岐阜大教授(61)によると、必修領域を担当できる学校経営、心理学、特別支援などの専門教員は、どの大学でも多くない。そこで、岐阜大、岐阜聖徳学園大などの大学教員と教育委員会の指導主事らで64人の共同講師団を結成した。
今年度は、岐阜大が開催する必修領域講習をこの講師団が担当。恵那、土岐、高山市にも出張し、計15講座を開く予定だ。このほかに、約200ページに及ぶ予習・復習用の有料テキスト「教職リニューアル」(ミネルヴァ書房)も発刊した。
「必修領域は共同で、選択は自由に」(小井土教授)という体制は、万全のはずだった。
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ところが、今年1月、文科省が認定した講習の中に、岐阜女子大(岐阜市)による必修領域講習が入っていたことに、コンソーシアム関係者は驚いた。コンソーシアムが準備した講習が、この時点ではまだ認定されていなかったため、「県内では岐阜女子大しか講習を開かないのか」といった問い合わせが岐阜大などに何件も寄せられたという。
岐阜女子大の服部晃教授(66)は「必修領域といっても通信講習が中心で、県内の講習日程に合わない人の受け皿にもなる。開催については、コンソーシアムには早くから伝えてきた」と説明しており、連絡がうまくいかなかったようだ。もっとも、同大は講習案内のパンフレットを県内だけでなく愛知、三重、長野の学校にも配布しており、県外の受講者獲得にも熱心だ。
県内教員のために協力するか、少しでも多くの受講者を呼び込むか。様々な利害が交錯する中、共同歩調を取るのは容易ではない。(京極理恵)
必修領域講習 2日間12時間セットで、全対象者が受講する「教育の最新事情」。内容は4領域8細目が定められ、学習指導要領改定の動向、特別支援教育、カウンセリング・マインド、学校の危機管理などを取りあげることになっている。
(2009年4月16日 読売新聞)