金沢医科大学 医学部に次いで看護学部でも推薦試験の合格者が発表になりました。
合格された皆様 おめでとうございます。
著しく進歩、発達した現代医療は「両刃の剣」としての性格を際立たせています。また、医療費抑制一点張りの国の政策によって、医療経営は厳しく圧迫され、医師や看護師は疲労困憊しています。このため、医療者(医師、看護師)と患者との信頼関係は非常に脆くなっていますが、
医療をコンビニ商品のように「消費する」昨今の風潮は、それに拍車をかけています。
このような時代、破綻しがちな医療者−患者関係をしっかり支える、場合によっては作り直すことができるほどの豊かな人間力が、医師や看護師には求められます。豊かな人間力には医学、看護学の知識・技術(医学力)だけでは十分でありません。地域社会の医療、福祉、民生などに関連する様々な制度や人材の社会資源ネットワークを活用し、必要ならばそれを作り出し、患者や家族を支えることができる「社会力」が求められます。それらの医学力、社会力とともに、グローバル社会に必要な「使える英語力」を加えて、
金沢医科大学の「人間性豊かな良き医療者」育成の3本の柱とします。
熱意ある優れた教員の確保、個性を尊重する少人数教育、自ら考える力を養う問題立脚型学習(PBL: Problem-based learning)、診療参加型臨床実習(CCS: Clinical Clerkship)や全国共通コア・カリキュラムの導入、IT技術を活用した電子カルテ、電子シラバスの整備、さらに米国医科大学との学生交換留学など、
金沢医科大学はこれまでも効率的、効果的な医学教育の実現に努めてきました。今後もさらに、医学力、社会力、英語力育成の3本柱にそって、日本で最良の医学・看護学教育を提供することを目指します。
知識だけでなく、事故を絶対に起こさない確かな医療技術をしっかり身に付けるため、最新シミュレーション修練施設(スキルス・ラボ)の整備を進めます。
また、地域貢献活動に学生を積極的に参加させ、「医学(看護学)」だけでなく「医療」を学び、地域社会でのネットワークの重要性とその活用を理解する機会を増やします。
英語学習にさらに力を入れ、海外の医学部、看護学部との交流活動を一層活発にし、英語力と国際感覚を磨くことを目指します。
心温かい人間(医師、看護師)は温かい人間関係の中でしか育ちません。
金沢医科大学は教職員すべてが力を合わせて、一人一人の学生が楽しく、厳しく、豊かに学べる環境を創るべく努力を続けます。
原点は「生命への畏敬」
グローバル化が進行する現在、医療は国際的な視野でその質が問われる時代に入りつつあり、医学教育の改革は日本社会の重要課題となっています。文部科学省が推進している新しいカリキュラムでは、学生が自ら問題に取り組み解決を図る「問題立脚型」教育が重視され、今後の医学教育の在り方を示すものとされています。
開学以来「倫理に徹した人間性豊かな良医の育成」を教育の基本としてきた
金沢医科大学では、このような流れに先だって、カリキュラムや教育システムの見直しを進めてきました。「問題に立脚した」教育についても、平成10年、このような教育システムをいち早く体系化したアメリカ・マーサ大学と提携を結び、平成13年度からは学内で実施しています。
内灘の豊かな自然環境の中、常に最先端の教育、優れた教員の確保、設備の充実を図ってきた
金沢医科大学のキャンパスに学ぶことは、医に携わるこれからの人生にとって非常に大きな意味を持つことになるでしょう。
21世紀、遺伝子治療に代表される生命科学はさらに進歩のスピードを速め、医療技術も大きく変わっていくでしょう。しかし、そこには生命軽視の過ちを生み出す危険性もひそんでおり、私たちは、医療の原点はA・シュワイツァーのいう「生命への畏敬 Ehrfurcht vor dem Leben」であることを再確認する必要があります。この言葉は
金沢医科大学のエンブレムに刻まれている「Reverentia Vitae(生命の尊厳)」と同義であり、
金沢医科大学の「良医育成」の基本です。
金沢医科大学概要
金沢医科大学は、昭和47年に日本海側では唯一の私立医科大学として、学都金沢市に隣接する内灘町に設立された。 開学以来、「倫理に徹した人間性豊かな良医の育成」を建学の精神とし、医学・医術・医道を3本柱としたバランスのとれた医師の育成を目指して、卒前・卒後教育に取り組んでいる。爾来30年の星霜を経、
金沢医科大学から巣立った医師は、先端医療や高度の医学研究、医学教育の分野で、あるいは地域医療を支える市井の実地医家として国内外で活躍している。
学部教育においては、教育理念に基づき、自主学習の習慣付け、問題解決能力の育成、知識・技能の習得、医師として好ましい態度・価値観の習得を具体的な教育目標としたカリキュラム編成を行い、基礎教育の重視と特色ある医学教育に取り組み、時代のニーズや学生の質的変化に応じて様々な教育改革を行ってきた。さらに、近年の医学・医療を取り巻く環境の変化に応じて、医学教育を効率的、効果的に実践するため、医学教育モデル・コア・カリキュラムや問題基盤型学習(Problem-Based Learning:PBL)の活用、クリニカル・クラークシップ(臨床実習)、学生による授業評価、ファカルティ・ディベロップメント活動等による積極的な教育改革を推進しており、質の高い教育プログラムの策定を通して、明日の医療を担う人間性豊かな良医の育成に努めている。
また、平成15年4月には大学院医学研究科を新専攻(生命医科学)に改組、平成16年4月からは学部の講座制を再編し、教育研究の活性化と充実を図っている。大学病院においては、平成12年7月に大学病院として我が国で初めて電子カルテシステムを用いた診療に成功した。これを契機に、
金沢医科大学独自の「教育用電子カルテシステム」も開発し、同システムを用いた臨床教育を展開している。平成15年9月には病院新館のオープンと診療科の再編を実施し、質の高い医療の提供と患者中心の医療を実践している。
金沢医科大学は、平成15年に創立30周年記念事業を展開し、「歴史を振り返り、大学の明日を考える」機会とした。
生命科学の時代と言われる21世紀に「さらなる発展」を期したい。